
ガンダムの世界では宇宙空間にいくつも拠点が存在する。
これら拠点の名前の由来はご存知だろうか。
地球の拠点は現実にある都市名に由来していることが多いが、宇宙では月以外は全て架空だ。
つまり名前の由来はどこからか参照しているのだ。
スペースコロニーは人工物だが、ラグランジュポイントに置かれた小惑星という設定の拠点がいくつか存在する。
この設定のこだわりが好きだ。
そこでそれぞれ名前の由来を調べてみた。
スペースコロニーの名前の由来
まずはガンダムの世界観の特徴を最も表している「スペースコロニー」から。
ガンダムを見ていた当時はコロニーの語源イメージは先進的なもの。
未来的な物を想像していた。
実際に1969年にはスペースコロニーという発想がNASAで発表されている。
つまり先進的な技術の居住地であることは変わりないのだが。
いざ意味を調べてみるとコロニーとは「植民地」という意味だった。
英語で「コロニー=植民地」となる。
コロニーが植民地という意味から察するにジオン公国が独立したいという物語の趣旨が通る。
話を戻すと、ガンダムの世界ではコロニーは8つのサイドに別れて設計されている。
コロニーや小惑星基地の設定はラグランジュポイントと呼ばれる物理学を理解しておかなければいけない。
(ガンダムの世界でのラグランジュポイント)
ラグランジュポイントと呼ばれる重力が安定する場所に設置された施設という位置付けだ。
ガンダムはアニメだが細部のこだわりがあって良い。
この辺りのこだわりがガンダムを好きにさせる要因の1つ。
地球連邦軍の拠点「ルナツー」
まずは地球連邦軍の唯一の宇宙基地「ルナツー」。
ルナツーの名前の由来は単純でルナ(月)の2番目(ツー)という意味。
非常にわかりやすい。
ルナツーがあるのは地球から月の反対側。
ラグランジュポイント3に置かれている設定。
モデルは実際に存在する小惑星「ジュノー」からとっているそうだ。
ルナツーへのこだわりを感じる。
本当にルナツーの位置に小惑星があったら同じ「ルナツー」の名前がついたのではなかろうか。
月面都市「フォン・ブラウン」
ガンダムの世界では月にもしっかりした設定が施されている。
代表的なものは「フォン・ブラウン」だ。
月面着陸した場所を中心に都市が形成されたという設定になっている。
フォン・ブラウンは物語では中立都市として描かれている。
ガンダムなどのモビルスーツ開発を手がけるアナハイム・エレクトロニクス社が拠点としているからという理由。
政治的な理由もあったりとロボットアニメにしては設定が細かい。
当時のちびっ子には何の意味もなさないだろうが、大人になって回想すると面白いなと思う。
名前の由来はNASAのロケット開発技術者「ヴェルナー・フォン・ブラウン」から。
ジオン公国の拠点「グラナダ」
次にジオンの月面基地となった「グラナダ」だ。
月の裏側に位置する月面第二の都市でジオンの最終防衛ラインの一角という設定。
担当はキシリア少将。
ファーストガンダムのアニメではグラナダは名前しか登場しない。
グラナダはゲームなどで登場するのでファンの中では知名度はある。
由来はスペイン南部アンダルシア地方の町グラナダ。
スペインの町グラナダはイスラム教が支配していた場所でスペインの他と特徴が違う。
そういう点でグラナダを選定したのだろうか。
ジオン公国の拠点「ソロモン」
次はファーストガンダムでも有名な激戦地となった「ソロモン」だ。
グラナダと同じくジオン最終防衛ラインの一角という設定で担当はドズル中将。
ファーストガンダムでソロモンは地球連邦軍、ジオン公国ともに英雄がぶつかり合った戦場。
わたし個人としてスレッガー中尉をオススメしたい。
「悲しいけどこれ戦争なのよね。」スレッガー中尉から学ぶ人生。
ソロモンはファーストガンダムの一年戦争時代で呼ばれている名前で地球連邦軍管轄以降は「コンペイトウ」と名前を変えている。
恐らく理由はソロモンの形が和菓子の金平糖にそっくりだからだろう。
わたしとしてはソロモンはソロモンのまま名乗って欲しかったが。
ソロモンの名前の由来は2つある。
まずは旧約聖書に登場する古代イスラエル(イスラエル王国)の第3代の王「ソロモン」。
もう一つは太平洋に浮かぶ群島国家「ソロモン諸島」。
つまりソロモンとは古代王の小惑星というところだろうか。
ジオン公国の拠点「ア・バオア・クー」
最後はファーストガンダム最後の戦場となった「ア・バオア・クー」だ。
名前が覚えづらい。
そう思った人も多いのでは。
ア・バオア・クーはジオン公国の最終防衛ラインの一角。
本拠地はサイド3である。
Zガンダム時代には名前を「ゼダンの門」と変えている。
クラゲのような特徴的な形をしているのは名前の由来からか。
ア・バオア・クーの名前の由来はどうやらインドの幻獣「ア・バオ・ア・クー」からきているようだ。
区切りがまた一つ増えている。
本家とガンダムの世界のイメージを比較してみた。
なんとなく似ている。
本家のア・バオ・ア・クーはインドにある勝利の塔に潜んでいるらしい。
侵入者の影に取り付く幻獣らしいが文献を読んでみるも強くなさそう。
憎しみの感情を抱いているそうな。
この辺のネガティブな設定をジオン公国との最終決戦の場所として選んだのかもしれない。
確かに名前から異彩を放つ「ア・バオア・クー」は魅力的だ。
名前が難しいほど人は興味を示すのかもしれない。
人間も同じで複雑な人ほど魅力的なものだ。
と思いたいが、そんな単純でないのが人間社会。
今日も良い1日を。
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